コラム〜禅僧小噺

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Shojin Projectメンバーによるコラムをお送りいたします。

月3回更新

禅僧小噺

2012.5.17

第64話 三宅大哲 Daitetu Miyakemiyake.jpg



 私はゴールデンウィーク、実家のある宮城に帰っていました。今年は例年より桜の開花時期が遅かったので、ちょうど帰った頃に満開の桜を見る事ができました。しかし、その数日後の大雨で全ての桜が散ってしまい、一日で様変わりした様子を見て何だか物寂しい気持ちになってしまいました。
 けれど、次の日にはもう青々とした葉が茂っているのです。桜ってすごいですね。今までは桜の花しか見ていなかったので、緑に包まれた桜の木も目が癒されていいなぁと感じました。

ここで私の好きな詩を一つご紹介します。
「咲くも無心 散るも無心 
花は嘆かず 今を生きる」

 これは「念ずれば花開く」という言葉で有名な坂村真民さんの詩です。
花を見て綺麗だと思ったり、花が散って寂しいと思ったりするのは人の心であり、花自身は、憂いや哀しみに揺れ動かされるわけではありません。何事にも動じず、ただ時期が来れば花を咲かせ、また散っていきます。
花のように、その時々を精いっぱい生きていこうと思います。



                   ※次回のコラムは5月下旬更新予定です。

2012.4.27

第63話 澤城邦生 Hosho Sawaki P1030871.JPG

忘れる




記憶力が落ちました。

 数年来、本を読んでも、TVを観ても登場人物や俳優の名前等をすぐに覚えられなくなってきたのです。年齢のせいなのか、もともと覚える気が無いのかわかりませんが、「忘れっぽくなったな〜」と最近つくづく思います。私も今年で32歳になり、メンバーの中では年長の部類に入りますので、大切な事はメモを取るなどして対策を講じています。しかし自分の記憶力が落ちるというのはショックなことですね。

 しかし、一方で「忘れる」ことは悪いことばかりではありません。日常生活の中で体験する様々な出来事。良いこともあれば悪いこともありますが、その体験が常に鮮明に記憶に残っていたらどうでしょうか? 特に悪い記憶を常に引きずったまま、生きていかなければならないとなると、これほど辛いことはないでしょう。

         「人は忘れることによって生きていける」

ともいいますので、「忘れる」ことを前向きに捉えていこうと思います。




2012.4.13

第62話 羽賀孝行  Koko Haga hagasan.jpg

願い





 私たちShojin-Projectの運営する坐禅会、「駒沢坐禅教室」が今年度の開講を迎えました。先月開催した「東京禅僧茶房2012〜はじめての坐禅〜」(当ホームページ参照)の影響もあってか、初回に当たる4月12日にはたくさんの方に参加していただき、大盛況の坐禅教室となりました。

 さて、私はこの坐禅教室の運営において広報を担当していますが、チラシやポスター作りなど、作業に当たる上でいつも心がけていることがあります。それは「名聞利養(みょうもんりよう)」を離れるということです。名聞利養とは名誉や利益を求める心のこと。私たち僧侶の行いは常にこの心を離れていなくてはなりません。「広報」という役割を考えれば、坐禅教室の情報を多くの方に知っていただき、参加者を募るのが目的です。しかしながら、そのために必要以上に良く見せようとしたり、参加者の数だけを目標としていては道を外れてしまうのです。

 私たちの活動の源は、「誓願」です。少しでも多くの方に坐禅を知っていただきたい。少しでも多くの方に仏教に触れていただきたい。そして、少しでも多くの方に、より良き道を歩んでいただきたい。そうした願いを、いつも忘れないよう心にとめておきたいと思います。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。



2012.3.21

第61話 守長修浩  Shuco Morinaga morinaga.jpg

型破りなものをつくりたい






私は、shojin-projectにおいて、主にWEB等のデザインを担当してきました。以前にデザインの仕事をしていたわけでは決してありません。ちょっと興味があったからと全くの素人が担当を受け持ちました。

 最初の頃は、デザインと言えば自分の個性を出すものだ。型破りなデザインを生み出していくぞ!と息まいていたものです。
しかし、そんな思いとは裏腹にゼロからのもの作りというものは、とてつもなく難しく、思い描いていた形をなかなか生むことが出来ません。仮に出来たとしても、それは今振り返れば出来そこないでした。

そんなもがきを続けていた時、ある事に気がついたのです。

「あ、真似ればいいじゃん」

 世には、先人達があみ出したデザイン群が多数あります。その形を真似ることで、良いデザインが出来上がる。そんな当たり前の事に気付いたのです。

 真似るなんて聞くと悪いことに聞こえるかもしれません。でも、最初は何でも真似、真似、真似。書道の臨書・先輩の真似・会社のマニュアルなどなど。最初は真似から始まります。
それをおろそかにしていたら、それはただの「形無し」だと思うのです。
基本の形が出来てから個性を出す。それが「型破り」の本当の意味だと思うのです。

 そんな当たり前の事に気付かせてくれたデザイン。本当の型破りを目指して、まずは一歩一歩基本の形を習得していきたいと思います。